僕は新卒で大手のSIerに入社したのですが、1年10ヶ月で退職をしています。
退職したきっかけは、ドラマ「シリコンバレー」と観て、スタートアップやベンチャーの世界でプログラミングがしたいと思ったからです。
大手企業を辞めるときに、躊躇は無かったですし、めちゃめちゃ悩んだ記憶もありません。
「あ、もう辞めよう」
と決意(決意というほどでもないですが)したのです。
せっかく新卒で入った大手企業を辞めるのはもったいない、勇気が出ないと思っている人に、そんなに気負う必要は無いよと言いたい。 そんな想いでこの記事を書きました。
- 大手企業を辞めるのに勇気は要らない理由
- 大手企業を辞めるのはもったいなくない
- 大手企業を辞めるときのよくある不安
- 大手企業を辞める勇気が出ない人へアドバイス
- 大手企業を辞めたいと思う主な理由
- 大手企業を辞めない方がいいパターン
大手企業を辞めるのに勇気は要らない理由3つ
そもそも大手企業とは、どのレベルから大手企業なのでしょうか。
- 有名であること
- 従業員数が多いこと
- 上場していること
有名企業に入ったとしても、その企業を知らない人はいるでしょうし、逆に中小企業でも一定数の人には知られています。
従業員数が多くても、仕事をするのは数人単位のチームですし、人が多く集まっているから大手企業を実感して、辞めづらいというのは根拠が合わないですよね。
上場していることを大手企業とする場合が多いと思いますが、上場しているかどうかは、辞めづらさには直接関係のないことだと思います。
上場していても不安定で低利益の企業もあるし、上場していなくても、ホワイトな企業はたくさんあるからです。
- 1つの企業に固執する考え方はもう古い
- 大手企業が安定していた時代は終わった
- スタートアップ企業の方が給料が高い場合もある
1つの企業に固執する考え方はもう古い
どんなに有名な大手企業にいても、定年まで働き続けられる保障は無くなりました。
また、ほとんどの人は人生で1回以上は転職を経験するので、大手企業を辞めることになります。
中には定年まで1つの会社で働き続ける人もいるでしょうが、ほとんどの人は、「今働いている大手企業よりも転職した方がいい瞬間」が訪れます。
いつか辞めるなら、今辞めても変わらなくない?というのが僕の意見です。
大手企業が安定していた時代は終わった
「大手企業=安定」の時代は終わり、今は「需要のあるスキルを持っている人=安定」の時代です。
いろんな会社からオファーが来て、転職を繰り返しながらキャリアアップしていくことで、企業の売上減少や倒産の不安を抱えることがなくなり、常に理想の労働環境を探すことができるようになります。
需要のあるスキルは、今だと「プログラミングスキル」になるので、こうしてプログラミング学習を勧めているわけです。
スタートアップ企業の方が給料が高い場合もある
大手企業は給料が高いと思っているのなら、一度転職活動をして、外の世界を見た方がいいでしょう。
以外にスタートアップ企業の方が給料が良かったりします。
スタートアップ企業は、まだ売上がほとんどなくて、投資家や銀行からの資金だけで経営しています。
なので、売上に関わらず、短期間であれば確実に安定した給料を出せるのです。
- スタートアップ企業でそこそこ良い給料+ストックオプションをもらう
- 上場や売却までいけば、ストックオプションを行使して大きな収入が手に入る
- 倒産してしまったら、次の職場を探す
こういった転職を繰り返す方法で、一発当てに行くというキャリアもあるわけです。
フリーランスなら給料が倍以上になる可能性もある
フリーランスになると、給料が会社員時代の倍以上になる可能性があります。
なぜこういうことが起きるのかというと、日本が定めている「解雇規制」のせい(おかげ)です。
会社員はなかなかクビにすることができないので、企業側はできるだけ給料を上げずにギリギリ生活できる分だけを社員に渡します。
一方、フリーランスは契約を終了すれば簡単にクビにできるので、短期間だけならということで、高単価に設定できるのです。
仮にフリーランスが使えないことが分かれば、数ヶ月で契約を終了させれば良いだけなので、損失はせいぜい100万円くらいです。
会社員の場合、給料を上げた途端サボりだしたとしても、なかなか解雇はできません。
裁判をしたり、いろいろと揉めて、何とか退職してもらうことができたとしても、その損失は数千万円になることもあります。
大手企業を辞めるのはもったいなくない
大手企業でなくてもできることはたくさんありますし、大手企業はマニュアル化されすぎてて、仕事的に面白くないなあと思うことが多かったです。
また、古い慣習(ハンコ文化、飲み会文化など)が残っていることも多いので、窮屈な感じがあります。
中小企業の方が、合理的でムダなことが無い印象があり、僕は中小企業の方が向いていると思いました。
新しいことにチャレンジできない時間の方がもったいない
大手企業で新しいことを始めようとすると、多くの人の承認をもらわないといけません。
中小企業で新しいことを始めるのはとても簡単で、先輩か社長に直接言うだけです。
その場でOKをもらえるか、すぐに会議を設定して、1時間もすれば結論が出ます。
それくらいスピードに差があるので、どんどん新しいことにチャレンジすることができます。
マニュアル仕事だけで飽き飽きしているような人にとって、大手企業を辞めるのは全然もったいなくありません。
理想の職場があっても手を出さないのか
今の会社が100%理想という人はいないと思います。
それでは、理想の職場を思い浮かべてみてください。
- リモートワークができる
- 簡単に有給が取れる
- 年収は800万円以上
- 先輩が優しい
- 同年代の同僚と呼べる人もいる
こんなところでしょうか。
もし転職活動をして、このような企業が見つかったらどうでしょうか。
それでも、大手企業を辞めるのがもったいないと思うでしょうか。
大手企業を辞めるときのよくある不安
大手企業を辞めるときに誰もが感じるよくある不安をご紹介します。
あなただけでなく、誰もが同じ不安を抱えていますが、大手企業を辞めた人はみんなこの不安を払拭しています。
- 収入が下がってしまう
- いつまで働けるかわからない
- 転職できなくなるかも
不安に対する向き合い方や不安の払拭方法を1つずつご紹介します。
収入が下がってしまう
「大手企業は収入が高い」というのはもう過去の話かもしれません。
以下の記事では、スタートアップ企業の平均年収が上場企業を上回ったというデータがあります。
有力スタートアップの平均年収が上場企業を上回る「異変」のウラ
スタートアップ企業の方が平均年齢が低いことを考えると、30歳時点の年収はスタートアップ企業の方が大幅に高い可能性もあります。
いつまで働けるかわからない
「大手企業なら定年まで働けるけど、中小企業だと倒産してしまったり、高齢になると働けなくなるんじゃないか」という不安ですね。
しかし、大手企業だから安定という時代は終わりました。
以下のブログでは、リストラを行った大手企業をリスト化してくれています。
2022年大手企業リストラ一覧 サイト閉鎖しました。
有名大手企業が、数百人、数千人規模のリストラを行っていることがわかります。
将来的に、日本の経済力が下がったり、IT化が進んでいくと、リストラされる可能性はさらに高くなっていくはずです。
転職できなくなるかも
「中小企業に就職した経歴があると、転職できなくなるかも」という不安は全く気にすることはありません。
人事や面接官は「どこに所属していたか」ではなく「何をしてきて、何ができるか」を見るからです。
また、過去に大手企業にいたという経歴はずっと残るわけですから、学歴や職歴が悪くなることはないと思っていいでしょう。
一度大手企業を経験していれば、「この人は大手企業に入れるだけの能力がある」と見られるはずです。
大手企業を辞める勇気が出ない人へアドバイス
大手企業は、良くも悪くも企業内で全て完結しているので、外の世界を知らない人が多いです。
- 転職活動をしたことがない先輩
- 数十人の同期
- 安定した給料
こういった環境にいると、わざわざ外の世界に出ようとは思いません。
例えば、日本は豊かな国なので、外国に住もうとか英語を勉強しようとは思わないみたいなことです。
恵まれていると、それ以上知る必要がないのです。
- 転職活動をして外の世界を知ってみよう
- 副業で実際に働いてみよう
- 大手企業を辞めた人の話を聞いてみよう
転職活動をして外の世界を知ってみよう
転職活動は完全に無料でできるので、転職する気がなくても定期的にしてみることをおすすめします。
- 他の企業の労働環境や給料相場
- 今の自分の市場価値
- 求められている職種やスキル
これらを知ることができます。
全国の給料平均が400万円だったとしても、東京の30歳の営業職の給料平均は500万円かもしれません。
今まではテレビで400万円って言ってたから、450万円もらっていれば充分豊かなんだと思っていても、実際には安く使われていた、なんてこともありえます。
まず、外の世界を知って、自分の立ち位置を確認してみましょう。
副業で実際に働いてみよう
今の会社を辞めることができないなら、副業をしてみてはいかがでしょうか。
副業なら、実際に他の企業でやっている仕事を体験することができて、さらに給料がもらえます。
副業禁止の会社に勤めていてもバレない方法はありますし、バレたらすぐに退職ってことも無いので、とりあえず副業を探してみましょう。
先ほどの転職活動と同様に、副業探しも無料でできて、自分の立ち位置を知ることができます。
副業の時間がない人におすすめの副業と効率的な時間の使い方
大手企業を辞めた人の話を聞いてみよう
実際に大手企業を辞めた人の話を聞いてみると、
- 大手企業を辞めて後悔したこと
- 辞めてよかったこと
- 辞めるまでに考えたこと
などを知ることができます。
僕は、大手企業を辞めて良かったと思っている側ですが、中には「辞めなければ良かった。。戻りたい」と思っている人もいるはずです。
いろんな人の意見を聞くことで、自分の考えが偏っていないかを確認することができます。
大手企業を辞めたいと思う主な理由
僕は大手企業だから辞めたい!と思ったわけではなく、もっとプログラミングがしたいと思ったのが、辞めるきっかけでした。
僕の同期や大手企業を辞めた友人から聞いた話だと、他にも以下のような理由から、大手企業を辞めたようです。
- 上司からのパワハラが横行していた
- 給料が全然上がらない
- 生産性が低すぎる
- スキルが身につかない
- 地方に飛ばされそうになった
僕自身もうなずける理由ばかりでした。個人的にも心当たりがあるので、1つずつ詳細を説明します。
上司からのパワハラが横行していた
大手企業は縦社会なので、上司、先輩の言うことは絶対です。基本的には逆らえません。
大学時代に運動部に所属していた人が就職しやすいのは、縦社会が染み付いているからかもしれません。
どんなパワハラがあるかというと、以下の通り。(あくまで一例です)
- 日常的に怒られる
- 上司のミスを自分のせいにされる
- 理不尽な仕事を任される
多くの大手企業では、OJTという研修制度?がありますが、ここでどんな上司に当たるかで今後の会社でのキャリアが決まります。
- 仕事ができない上司: 自分のスキルが身につかない
- 仕事ができすぎる上司: 付いていけない→怒られまくる
結局どんな上司であっても、人間関係の構築が難しいことを実感します。
転職してベンチャー企業に行くと、成果主義の横社会なので、上司という存在がほとんど無く、意見が言いやすい環境になりました。
また、フリーランスになると、そもそも上司という存在がいないので全く怒られることがなくなります。ただ、怒られるようなことをすれば契約が切られてしまうので注意。
給料が全然上がらない
大手企業と言えど、初任給は20万円前後でした。独身寮や充実した福利厚生、3〜5ヶ月分くらいのボーナスがあったので、実質年収は400〜500万円程度だった記憶があります。
給料以外の待遇が良い点はさすが大手企業だなと思いましたが、基本給はほとんど上がらず、残業代で稼ぐような働き方をしていました。後述にもありますが、これでは生産性が上がらず、スキルは身につきません。
スキルが重視されるWebエンジニアの世界では、転職によって給料を上げていくことが一般的です。
大手企業からベンチャーに転職してしまうと給料が下がるのではないかという不安がありましたが、実際に年収はほぼ変わらず、年収420万円で転職することができました。
フリーランスになれば、60万〜80万円の単価で仕事が取れるようになるので、さらに収入は上がります。
60万という数字の中に税金や福利厚生も全て含まれるので、数字だけでは分からない収入があります。
生産性が低すぎる
残業が横行していて、36協定にギリギリ違反しないラインで働く人が多くいました。
もちろん生産性は落ちますし、残業分だけ人件費が多くなりますから、プロジェクトは赤字となります。
赤字になればボーナスは下がるので、以下のような悪循環に陥ります。
- 残業代を稼ぐ→ちょっとウハウハ
- プロジェクトは赤字
- ボーナスが下がる→残業代が意味ない
残業代分をボーナスの下方によって相殺されるので、実質的にはサービス残業をしているのと同じになります。プロジェクトは赤字になるので、クライアントと株主からの信頼は落ちるばかりです。
生産性が低い理由は色々とありますが、技術的に遅れていることが要因の1つだと思います。このことが次の「スキルが身につかない」に繋がります。
スキルが身につかない
大手企業では新しい技術を導入するハードルが非常に高いので、一昔前の技術を使っていました。
前例の無い技術を導入することを嫌がるクライアントも多く、こちら側としても前例があった方が仕事を進めやすいので、最新の技術にチャレンジする理由がないからです。
そうなると、社内のエンジニアはスキルが身につかず、5年、10年同じ会社で働き続けている人は、転職できるだけのスキルが無くなってしまいます。
こちらの記事でも書いているように、3年も働く必要はなく、スキルが頭打ちになってきたなと感じたら転職を検討しましょう。
地方に飛ばされそうになった
IT企業ではあまり多くありませんが、金融やメーカーなど、全国に支店があるような大手企業だと、地方転勤があります。
東京近辺での生活に慣れてきて、パートナーがいたり、地方に引っ越したくない理由ができてしまう人も少なくありません。
転勤が嫌だという理由で、転勤の無い企業への転職を考える人が結構多いようです。
IT企業の場合、リモートワークができるので、転勤どころか出社するのすらも嫌だという人もいるかもしれません。コロナ禍が落ち着いてきて、出社を強制する企業が出てきているようですが、出社するのが嫌だから転職する人がこれから出てくるでしょう。
大手企業を辞めない方がいいパターン
ここまで、大手企業を辞めたい人の背中を押すような内容を書いてきました。
でも大手企業を辞めないほうが良いケースもあるので、思いとどまってもらうようなパターンもまとめていきます。
職場環境や待遇を見直すチャンスがある
例えば、給料や福利厚生には満足しているけど、職場の人間関係や仕事内容に不満があるケース。
部署や支店を変えてもらうことができれば改善されるケースなので、もし上司や人事などに部署異動を希望できるのであれば、次の部署異動のタイミングまで辛抱しても良いでしょう。
部署異動の希望が通らずに職場環境が改善されないようなら、退職を考えても良いかもしれません。
ローンを組む予定がある
大手企業の看板は、ローンを組むときやクレジットカードを発行するときに有利になります。
転職をして中小企業で働くことになったり、個人事業主になってからだとローンが組めなくなったり、組める金額が下がってしまうでしょう。
一度ローンを組んでしまえば、その後退職をしてもローンの早期返済を求められるようなことはないので、もしローンを組む予定がある人は一旦大手企業勤務を続けたほうがいいでしょう。
スキルに自身が無い
大手企業を辞めると、その後のキャリアは中小企業や個人事業主などの独立するケースが多くなります。
そうなると、スキルが無いと生き残っていけなくなるので、大手企業で働く間にスキルを身につけておかないと「大手企業に残っておけば良かった。。」と後悔することになります。
どんなスキルを身につければいいか分からないという方は、この記事でプログラミングスキルを身につけて転職や独立を目指す方法をたくさんご紹介しているので参考にしてください。
まとめ: 大手企業を辞める勇気を持とう
大手企業を辞めるべき!とまでは言いませんが、いつでも辞められる勇気は持っておいたほうがいいと思います。
大手企業だからといってしがみついていると、いざリストラされたり、待遇が悪くなってきたときに、他に移ることができなくなってしまいます。
「こっちがあんた(大手企業を選んでやってるんだ!」
くらいの強気の心を持って、いつでも転職できるようにしておけば、気持ちが楽になるんじゃないかなあと思っています。