現在SESで働いているが、新しいキャリアを探している人向けの記事になります。
「正直、SESだとITスキルがあまり身についている感覚が無く、エンジニアの正社員になれる自信が無い」というのが本音ではないでしょうか。
また、「エンジニアには向いていないから、他の業種を探したいけど経歴やスキルが無い」と悩んでいる人もいるかもしれません。
そういった人のために、SESから脱出する方法について解説します。
SESから脱出したいと思う理由
SESとはどんな立場なのかというと、下記のように定義されています。
SESとは、システムエンジニアリングサービスの略で、ITプロフェッショナルがクライアントのITプロジェクトに技術的な支援を提供する企業を指します。
なんだか、技術コンサルのように、技術的支援をするポジションのようですが、現実は違います。
「IT派遣」や「ITドカタ」と言われる立場にある人が多いように思えます。
契約の仕組みとしては、派遣と同じで、プロジェクトや一定期間ごとに現場を移り、そこで働いてくという人材派遣会社なのです。
派遣が必ずしも悪いというわけではありませんが、誰でもできる仕事しか割り振られず、スキルが身につかないので、エンジニアとしてはSESには行きたくない、脱出したい、と思ってしまうわけです。
給料が低い
エンジニアというと、給料が高いイメージはありませんか?
プログラミングという技能を持っているわけですから、誰でもできる仕事ではありません。
それだけ希少価値がある分、給料が高く設定されていてもおかしくないわけです。
しかしながら、SESのほとんどは、給料が低く設定されています。
- 誰でもできるIT仕事しかない
- スキルのない人が集まる
- 給料が低い
こういった悪循環が生まれているわけです。
本当は、下記のような好循環を目指していきたいわけです。
- プログラミングを使った仕事がしたい
- スキルを買われて高待遇
これを実現するためには、やはりSESにいてはいけないというわけです。
スキルが身につかない
誰でもできる仕事しか与えられないわけですから、当然スキルは身につきません。
そのままずっとSESで働いていると、いつになっても一人前のエンジニアにはなれず、キャリアアップを目指すことができなくなってしまいますよね。
エンジニアとして、プログラミングができるような仕事、せめて技術が無いとできないような仕事がしたいわけです。
働き方が良くない
SESの場合は、1ヶ月の稼働時間で給料が決まる場合が多いです。
なので、働き方も窮屈になってしまいます。基本リモートワークはできませんし、有給や長期休暇も取りにくい状況になっています。
その他、福利厚生においても、あまり多くありませんし、とにかく待遇面で恵まれていないことが、SESを抜け出したい理由になります。
確かに、エンジニアといえば、リモートワークをしていて、毎日午後くらいから出勤するようなフレックスな働き方をしているイメージがあります。
どの企業でもそういった働き方ができるわけではありませんが、そういった企業で働いてみたいと思うのは当然のことです。
SES脱出の準備をする
SESからの脱出を成功させるためには、事前の準備が不可欠です。
自身のスキルセットを強化することはもちろん、業界のトレンドを把握したり、有用な人脈を築いたりすることも大切です。
また、自己ブランディングも、あなたが自身のキャリアを自分自身でコントロールする上で重要な要素となります。
スキルセットの強化
SESでスキルが身につかないなら、独学でスキルを身につけるしかありません。
仕事をしながらだと大変かもしれませんが、他業種からエンジニアになりたいという人も、そういった勉強をしているはずです。
ポジティブに捉えれば、周りにはITのことを学べる環境が少なからず用意されているという点です。
IT企業のカスタマーサポートの仕事であっても、扱っているITツールのことや、IT用語については少しは知っているはずです。
例えば、飲食業界からエンジニアを目指す人と比較してみれば、知識やどんな世界なのかを知っているというアドバンテージがあります。
ネットワーキングと情報収集
派遣先に優秀な人がいて、仲良くなれるのであれば、それは貴重な人脈です。
転職したいことを伝えてみるのもありでしょう。
派遣という立場は、派遣先の社員からすると外部の人になるので、意外と転職のこととか、社員同士だと話しにくいことを話せるというメリットもあります。
とはいえ、周りに良い人脈があるとは限りません。
そういった人は、やはり転職エージェントに依頼するのがベストですね。エージェントは情報収集のプロですから、おすすめの業界とか、身につけるべきスキルなどについて教えてくれます。
自己ブランディング
最終的には、自分を転職先にどのように見せるかが重要になります。
SESであってもIT企業にはなるので、転職時にマイナスになることはありません。
関係ない他業種から転職を目指している人に比べれば、キャリアアップのために転職をする人という立ち位置で転職活動ができるからです。
そういった理由から、他業種の人は、まずSESに入り、IT業界で働いたという実績をつけてから、正社員を目指すルートもあるようです。
経歴には問題ないことが分かれば、あとはどれだけスキルがあるかをアピールするだけです。
- ポートフォリオ
- SNS
- ブログ
など、なんでもいいので、自分を発信した証を残しておき、アピールポイントにしましょう。
SESからの転職先
SESから脱出する際には、様々なキャリアパスが考えられます。目指すキャリアパスは個々の価値観や生活スタイル、技術スキルによって大きく異なります。ここでは、一般的な転職先としてよく挙げられるメーカー企業、ユーザー企業、スタートアップや中小企業、そしてフリーランスという選択肢を考えてみましょう。
3-1. メーカーやユーザー企業への転職
メーカーやユーザー企業に転職することは、エンジニアにとって安定したキャリアを求める上での一つの選択肢となります。ここでの業務は、SESとは異なり、一つの製品やサービスに深く関与することができます。これにより、自身の技術スキルを一つのプロジェクトに集中的に活用することが可能となります。
3-2. スタートアップや中小企業への転職
スタートアップや中小企業への転職は、新しい技術を活用したり、自身のアイデアを形にするチャンスが多いというメリットがあります。また、企業の成長に直接貢献することで、大きな達成感を得られるかもしれません。ただし、その反面、安定性は大企業に比べて劣る可能性もあります。
3-3. フリーランスとして独立
フリーランスとして独立することで、自身の時間を自由にコントロールし、選んだプロジェクトに取り組むことが可能となります。しかし、フリーランスとして成功するためには、ビジネススキルや自己マネジメント能力、そして堅固なネットワーキングが必要となります。
次のセクションでは、SES脱出の成功事例について詳しく解説します。
SES脱出の成功事例
SESから脱出し、新たなキャリアを築くための道は一つではありません。それぞれの選択肢には、その魅力と課題が存在します。ここでは、実際にSESを脱出し成功したエンジニアの事例を3つ紹介します。これらの事例を参考に、あなた自身のキャリアパスを考えてみてください。
4-1. メーカーに転職した事例
Aさんは、SESから自動車メーカーに転職しました。Aさんは車が大好きで、自動車に関連する製品開発に携わることが夢でした。メーカーでは、自分の技術が直接製品に反映されるため、非常に満足感を感じています。
4-2. スタートアップに転職した事例
Bさんは、SESからAIスタートアップに転職しました。スタートアップでは、新しい技術を活用し、社会に影響を与える製品を開発するチャンスがありました。チームは小さく、自分の意見が直接製品に反映され、その結果をすぐに見ることができます。
4-3. フリーランスになった事例
Cさんは、SESからフリーランスとして独立しました。Cさんは、自分の時間を自由に使いたいと思っていました。フリーランスとしての仕事は、自分でプロジェクトを選ぶ自由があり、自分のペースで働くことができます。しかし、フリーランスにはビジネススキルや自己マネジメントが必要となるため、それらのスキルを身につけるためには時間と努力が必要です。
次のセクションでは、SES脱出を実現するための具体的なアクションプランを提供します。
SES脱出へのステップ
SESからの脱出は、一夜にして実現するものではありません。それはステップバイステップのプロセスであり、具体的なアクションプランを持つことが成功に繋がります。以下に、そのプロセスを4つのステップに分けて解説します。
5-1. スキルと経験の棚卸し
まず最初に、自分が持っているスキルと経験を整理しましょう。どのようなプロジェクトに参加したことがありますか? どのような成果を上げましたか? また、どの技術スキルを得ていますか? この自己分析は、自身がどのような職に適しているかを理解するための第一歩となります。
5-2. 目指すキャリアパスの定義
次に、自分がどのようなキャリアを望んでいるかを定義します。SES脱出の目標は人それぞれです。いくつかの可能性を探り、それぞれのプロとコンを比較しましょう。ここで重要なのは、自分自身の価値観と目標に基づいてキャリアパスを選ぶことです。
5-3. 効果的な履歴書と職務経歴書の作成
自分が何を求め、何を提供できるかを理解したら、次はそれをアピールするための具体的なツールを作成します。履歴書と職務経歴書は、あなたの技術スキルと経験を具体的に示す重要なツールです。効果的な履歴書と職務経歴書を作成するためには、具体的な成果を強調し、その成果がどのように現在の目標と連携しているかを明確にすることが重要です。
5-4. 面接対策
履歴書と職務経歴書が完了したら、面接の準備を始めましょう。面接では、あなたが自分自身を適切に表現し、どのように価値を提供できるかを示す機会です。面接のためには、一般的な質問に対する答えを事前に準備し、自分の経験とスキルを具体的なエビデンスで示すことが求められます。
これらのステップを経ることで、SESからの脱出は現実的なものとなります。そして、このプロセスを通じて、あなた自身のキャリアに対する理解と自信が深まることでしょう。
まとめ
この記事を通じて、「SES 脱出」についての具体的な理解を深めることができたことでしょう。しかし、理解するだけでは十分ではありません。重要なのは、その知識を行動に移すことです。ここで、あなたがSES脱出を成功させるために心に留めておくべき点をまとめておきましょう。
6-1. SES脱出の心構え
SESからの脱出は簡単なものではありません。しかし、その困難を乗り越えるためには、強い意志と決断力が必要です。また、自分自身のキャリアに対する理解と自己啓発の継続が重要です。自分自身がどんなキャリアを望んでいるのか、自分のスキルをどのように活用するかを常に考え続けてください。
6-2. 継続的なスキルアップの重要性
テクノロジーは日々進化しています。そのため、自分のスキルをアップデートし続けることが重要です。新しい技術を学び、自分の知識を広げることで、より多くの転職先が開かれ、SESからの脱出がより現実的になるでしょう。
SESからの脱出は、自分自身のキャリアに対するコントロールを取り戻す一歩となります。その道のりは決して容易ではありませんが、あなたが望むキャリアを追求するための価値ある挑戦となるでしょう。