気軽に退職ができることで話題のサービス「退職代行」ですが、本当に即日で退職できるのか気になるという人もいるのではないでしょうか?
「うちの会社の契約だと1ヶ月前までに退職届を出さないといけないらしい」
このような会社による契約もあり、退職代行を本当に気軽に使って良いのか悩んでいる人のために、即日退職できるのか、法律的にNGではないのか、について解説します。
退職代行は即日退職ではなく2週間後の退職
結論を言うと、即日で退職することはできません。
無期限の雇用契約を結んでいる場合、退職の申し出をしてから2週間が経過しないと退職することはできないのです。
https://jsite.mhlw.go.jp/miyagi-roudoukyoku/library/miyagi-roudoukyoku/window/img/kiso_04.pdf
ただ、契約上の退職は2週間ですが、明日から会社に行かないと決めてしまえば、当然仕事はしなくてもいいわけです。つまり、退職までの2週間は欠勤扱いにしてもらい、2週間後に正式に退職をするという流れになります。

有給が2週間以上あれば有給消化で乗り切る
有給は社員の休める権利なので、もし退職までの2週間で有給を使えるのであれば、フルで使ってから退職することができます。
できるだけ在職期間を長くすることで、給料をより多くもらえますし、無職期間を短くすることができるので、どの退職代行サービスでも、有給はフル活用するように言われるはずです。
もし有給が3週間あれば、3週間後の退職が良いでしょう。
残りの有給日数を確認しておこう
有給が無ければ会社と交渉
有給が足りない場合は、欠勤とするか、有給が無くなった時点で退職させてもらえないかの交渉を行います。
欠勤となった場合は、在職はしているものの、休んだ分の給料は発生しないため、正直いる意味はありません。
会社としてもそれは分かっているので、だったら欠勤する前に退職を承認してもらえる場合もあります。
早く退職するメリットは、次の会社に少しでも早く転職できるとか、気持ち的に早く開放されるくらいで、そこまで大きなメリットはありません。
ただ、会社にとっては給料をもらわず会社にも来ない人を在籍させておくメリットは1つもないので、早めに退職を承認する場合があるというわけです。
有給が足りなければ欠勤か即日退職
欠勤扱いには注意が必要
「欠勤できるってことは、実質即日退職じゃん」
と思った人は鋭いです。
法律では2週間前に退職の申し出をする決まりとなっているにも関わらず、明日から会社に来ないとなれば、実質的に即日退職とみなされる可能性はあります。
1つ目の注意点としては、退職金や失業給付に影響が出るかもしれないということです。
退職金が満額もらえないとか、退職後にもらえる失業給付が減ってしまう可能性があります。その辺は会社との契約や交渉次第になってくるので、退職代行に交渉・確認してもらいましょう。
2つ目の注意点としては、会社によっては就業規則違反として対応される可能性もあることです。
先ほど書いたように、実質的に即日退職とみなされる場合、それを会社に訴えられるかもしれません。これを避けるためには、会社との交渉が必要です。
会社としては、法律通りに2週間は働いてもらい、最低限の引き継ぎをしてもらいたいと考えているのに、勝手に欠勤してしまうと、就業規則違反とみなされてもおかしくはありません。
交渉は退職代行がしてくれますが、会社がどのような反応を示すかについては確認しておきましょう。
退職代行を使って即日退職できるケース
退職するには最低でも2週間後という決まりがありますが、即日退職できるケースもあります。
パワハラやセクハラなど「やむを得ない事由」
明らかに会社が不当に働かせているというやむを得ない事由があれば、即日退職することもできます。
その場合、事由を証明するための記録を残しておく必要があります。
もし記録があれば、会社としては公にされると困りますから、2週間後の退職を即日にするくらいなら承認してくれるはずです。
もちろん、そういった交渉も退職代行が行いますが、記録するのは退職者でしかできません。
精神的・身体的な健康問題がある場合
持病があったり、働くことによって精神的に病気を抱えてしまった場合は、即日退職ではありませんが、傷病休暇という形で休みをもらうことができます。
医師の診断書をもらい、働けないことを証明する必要がありますが、殆どの場合、有給と同じで給料が発生するか、給料の何割かがもらえます。
2週間休む正当な理由にもなりますから、健康上の理由で退職を考えている人は、医師に相談してみることをおすすめします。
ブラック企業勤務で辞めさせてもらえず、メンタルヘルスに問題を抱えて退職代行を申し込むケースも多いです
退職代行を使えば円満に退職できる
退職代行を使うと、会社に不義理を働くのではないか、裏切り行為ではないかと感じる人もいるかもしれませんが、むしろ円満に退職することができます。
最悪のケースを避けてくれる
退職代行は、退職交渉のプロですから、会社に訴えられるとか、殴り込まれるといった最悪のケースを避けるように動いてくれます。
「代わりに退職の電話をしてくれる人」
という印象かもしれませんが、退職するためには契約の終了や荷物の引取りなども必要なため、雑に辞めることはできないのです。
確かに会社としては、いきなり辞められるという感覚になるかもしれませんが、法律として2週間は在籍することを伝えたり、いざという時には、やむを得ない事由があることを交渉材料にして、円満に退職を進めてくれます。
自分で申し出て揉める可能性だってある
退職代行は不義理、自分で申し出ることが義理人情だという意見もあります。
ただ、退職を申し出ると、上司は引き止めてくるかもしれませんし、場合によっては揉めることになるかもしれません。
1ヶ月後に退職すると言った途端に扱いが酷くなることだってあります。
退職代行ばかりが批判の的になりがちですが、円満に送り出すことができない一部の会社の存在があることも忘れてはいけません。
まとめ: 退職は2週間後と考えておこう!
退職代行を使えば明日から会社に行かなくてもいいというのは、殆どの場合当てはまります。
ただ、契約としての退職は2週間後になるので、明日から別の仕事に就けるかどうかについては確認が必要になります。
こういった注意点は、退職代行に申し込んだ段階で説明があると思いますので、まずは退職代行サービスに申し込んでみることをおすすめします。