macOS 15よりMacデフォルトアプリに「パスワード」が登場した。これにより、MacやiPhoneで利用するアプリやブラウザのパスワードを一元管理できるようになった。
以前からSafariではパスワードを保存しておく機能があったが、ブラウザ内のみ、同一アカウント内のみでしか利用できなかったため、Chromeを使う人やアプリでパスワード入力したい人は、Safariから該当のパスワードを探す必要があった。
パスワードアプリは無料で使えるので、今までSafariや記憶だけに頼っていた人にとっては便利なアプリと言える。しかし、これまで1Passwordという有料アプリを使ってきた私にとっては、年間使用料を節約してまで切り替えるメリットは感じなかった。
パスワードアプリに足りないもの、1Passwordに劣る部分について解説していく。
① Apple製品でしか使えない
Apple信者のような絶対にApple製品しか使わない人にとっては縁のない悩みだと思うが、私はスマホはAndroidを使っているので、その時点でスマホでのパスワード管理ができなくなってしまう。
メモ帳やメールアプリでも同じだが、特定のOSに依存されてしまうアプリは好まない。マルチプラットフォームで使えるアプリじゃないと、OSを変えたいと思ったときの障壁になるからだ。
仮に今、Apple製品しか使っていなくても、今後のiPhoneの価格高騰を考えると、中華製Androidに移行したいと思う可能性だってあるかもしれない。その時にパスワードアプリを使ってることが理由で、スマホ選びに支障が出る状態になりたくない、というわけである。
いずれにしても、現時点でAndroidスマホを使っているので、パスワードアプリは使いこなせないということになる。
② メモやクレカ情報などを保管できない
パスワードアプリに保存できるのは、1つの項目の中に、IDとパスワード、確認コード、WebサイトURL、メモだけである。
一方で1Passwordは、日付や住所、追加のパスワード、ファイルなども追加できるので、例えば銀行のオンラインバンキングにログインするパスワードに加えて、暗証番号も保存しておくことができる。
パスワードアプリでは、メモ欄に暗証番号を書くか、別の項目を作ってパスワード欄に暗証番号を保存することになり、管理が煩雑になりそうだ。
また、クレジットカード情報を保存できたり、仕事用と個人用でフォルダ分けできるなど、1Passwordの方が便利な機能が豊富にある。
パスワードさえ忘れなければいい、という人であればパスワードアプリでも良いかもしれないが、あらゆる忘れそうな情報を保存しておきたい私にとって、パスワードアプリではできることが少ないと感じてしまう。
③ 仕事で使えない
パスワードアプリはiCloudアカウントに紐づくため、仕事用のパソコンを使うとなると、パスワードを共有することができない。仕事用PCで個人のiCloudにサインインできれば良いのかもしれないが、セキュリティ面でも、プライバシー面でも共用したくない。
仕事用PCでは、仕事用のパスワード管理情報を使うことになるので、良く言えば、仕事用のパスワードを個人のパスワードと混在させずに済むわけだが、個人で使っているパスワード情報を使いたいときも結構頻繁にあるわけだ。
例えば、日常のメモを閲覧したい場合は、メモ帳アプリ(私の場合はNotion)にログインしないといけないため、個人のパスワード情報が必要になる。こういった場合に、個人用パスワードアプリが使えないと困ることになる。
年4000円払えるなら1Password
パスワードアプリを使う理由としては、無料であること以外にないという結論に至った。年4000円払えるなら1Passwordを使おう。そうすれば、パスワード管理に関する悩みはほとんど解決するはずである。